双極性障害II型と闘う

うつ病がいつまでも治らないと思っていたら、双極性障害II型でした。病気との闘いの日々を綴ります。

非科学的な療法やスピリチュアル系セラピーに対して思う事

f:id:roastedgreentea:20170522232522j:image

精神的な病の療法について調べていると、非科学的な療法、スピリチュアル系セラピーについての情報に出会う事がよくあります。

非科学的なもの、スピリチュアルなものに対して、人々の反応は大きく2つに分かれると感じます。「あり得ない、頭がおかしい」という反応と「素晴らしい、これこそ真実だ」という反応です。私はどちらの反応も実際的じゃないと思っています。これらの療法について、私の考えを記したいと思います。

治療の基本は現代医療

まず、前提として、治療の基本は現代医療だと考えます。科学的に根拠があり、多くの知見が積み重なって構築されてきた治療法は、現時点で最も高い効果があり、最もリスクが低いと言えるでしょう。

「医者は危険、薬は危険」と煽る思想がありますが、副作用の報告、研究も広くされていますから、「起こり得る副作用と対処法」に対して多くの知見が得られているのは「医学的治療法だけ」とも言えるでしょう。民間療法はそもそも副作用に対する精査が行われていない事が殆どなので、むしろ危険な場合もあるでしょう。

現代医療は万能ではない

しかし、現代医療も万能ではありません。例えば双極性障害は完治できませんし、うつ病のメカニズムも様々な説はありますが、解明されていないのです。これらの疾患で治療をうけても社会的に復帰出来ない患者が一定数います。

そのような場合に補完的に利用するのが、代替療法や民間療法(スピリチュアル系セラピー含む)だと思います。

代替療法、民間療法の例

代替療法や民間療法と言っても様々です。漢方は現代医療とは全く違う理論体系からなりますが、一部に科学的エビデンスもあり、取り入れている医療機関も多くあります。また、アロマテラピーは日本ではあくまで民間療法やリラクゼーションという扱いですが、フランスでは専門家が医療として行っています。日本の医療機関でも心のケアの一環として利用しているところもあります。

健康食品やサプリメント代替療法の一種です。これらは食品扱いなので、エビデンスはないものが多いです。しかし、利用している人はとても多いですね。

一方、レイキヒーリング、フラワーレメディー、ホメオパシー等、より「スピリチュアル的な」理論を持つ民間療法もあります。これらは非科学的な考えを多く含み、そもそもエビデンスを取るのは難しいのではないでしょうか。こういった療法は、好む人と嫌悪する人がはっきり分かれるものです。

その患者にとって効果があれば良い

私の考え方は「その患者本人にとって効果があれば、どんな療法でも構わない」というものです。

特に精神的な病の場合、診断基準も主観的な要素を多く含みます。数値化する研究は行われていますが、今の所信頼性の高いものはありません。(近年光トポグラフィーという診断が注目されていますが、こちらもまだ精度が充分ではなく、現状あくまで補助的な資料として使われる事がある、という診断法にすぎません)

ですので、「主観的に病状が改善した」のであれば、「その療法は(その患者にとっては)効果があった」と言えるのではないでしょうか。

根拠が説明できなくても、療法として成り立つ

根拠やメカニズムが説明できないのに、療法としては成り立たないだろうと思う方もいるかもしれません。

でも、現代医療でもメカニズムが解明されていないのに使われている治療法は多くあります。

例えば双極性障害の治療に使われるリーマスです。最もよく用いられる薬であるのにも関わらず、この薬がなぜ双極性障害の波を抑える事ができるのかは不明のままだそうです。ただ、投与された患者は投与されていない患者に比べ、気分が改善されている、ということはエビデンスが取れています。よくわからないけど効くのは確かだから利用しようという事ですね。

民間療法は基本的にエビデンスはありません。確かに効くのか、という根拠がありません。でも、多くの人が何らかの改善を感じた、という経験則で成り立っている療法なので、証明はされてなくとも効果がある可能性は充分にあるのではないでしょうか。

そもそも、患者本人にとっては「自分の病状が回復する事」が最も必要な事です。8割の人に効果がみられると証明された薬でも自分が残りの2割であればその薬は自分にとっては意味がありません。何割の人に効果があるのかもわからない民間療法でも、自分の病状が改善されたと感じるなら、それはその患者にとっては大変優れた療法でしょう。それが何故効いたのか、解明はできないかもしれません。私はそれでも「改善したという事実があれば良い」と思っています。プラシーボかどうかも当人にとっては大きな問題ではないでしょう。

代替療法、民間療法との付き合い方

私は最初に書いたように、病院での治療を基本としながらも、様々な代替療法や民間療法を取り入れる事に前向きです。ただし、代替療法や民間療法に関しては本当に情報が大量に出回っています。その中で、私は試す価値がある療法かどうかを以下の基準で選択しています。

  • 歴史があり、時間による淘汰を潜り抜けている療法を選ぶ
  • 実践者が多い療法を選ぶ(デメリットの情報も得られる)
  • 創始者の自己愛の強さを感じる療法はダメ(単なるカルトか目立ちたがり屋)
  • 高額な金銭的対価を要求する療法はダメ(単なる金づる)
  • あまりにも一般常識とかけ離れており、「普通の生活」を送れなくなるような療法はダメ(単なるカルト)
  • 現代医療を辞める指示を出す療法はダメ(冷静な判断力がない集団、事故の危険)

 

 

私の非科学的な療法や民間療法、スピリチュアル系セラピーに対する考えは以上となります。

あなたはこの様な療法についてどう思われますか?