双極性障害II型と闘う

うつ病がいつまでも治らないと思っていたら、双極性障害II型でした。病気との闘いの日々を綴ります。

うつの人を励ましてはいけないのは何故?言われたくない言葉とその理由を患者の立場から書きます

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うつは本人だけではなく周囲も苦しめる事があります。患者の周囲の人は、接し方に悩む事もあるでしょう。よく「頑張れと言ってはいけない」と言われますが、じゃあどうすればいいのか?励ましが良くないと言われるのはなぜなのか?理解に苦しむかもしれません。

私は双極性障害障害II型なので、これまでうつ状態を何度となく繰り返してきました。今回は、私が患者として言われて辛い言葉とその理由をまとめたいと思います。

なお、「うつ病」と「双極性障害うつ状態」の症状はほぼ同じですので、うつ病の方と通じる部分も大きいと思います。(というか私も長年うつ病だと言われてました)ですので、うつ病患者さんの接し方としてもご参考にして頂ければと思います。ただ、個人差もあると思いますので、一患者の考えとしてご理解下さい。

励まされるのが辛い訳

落ち込んでいる人を励ますというのは、その人の為を思っての事です。それで救われた事のある人も多いでしょう。でも、普通の落ち込みではない「うつ状態」の人を励ますと、逆に追い詰めてしまいます。

例えば「頑張れ!」と言われた場合、「そうだ、もっと頑張らなくては。でも出来ない。なんで出来ないんだろう、こんなことも乗り越えられない自分はダメな人間だ」となってしまいます。なぜなら今まで普通に頑張ろうとして出来てた事が、頑張れない状態になってしまい、本人もそれに苦しんでいるからです。「頑張れたらとっくに頑張ってるわ!」と思えればまだ良いのですが、「みんな頑張ってるのに、自分は…もっともっと頑張らなきゃ…」となってしまうと、悪化してしまいます。

つい言ってしまいがちな励ましと、それに対して思う事

考え方や気持ちを切り替えるようにいう事

  • 「気楽に構えなよ」→気楽になりたくても嫌な事しか思い浮かばない、どうしていいかわからない
  • 「もっとポジティブに考えよう」→ネガティブな事ばかり考えている自分はダメな人間だ
  • 「もっと辛い思いしている人も沢山いるよ、まだ幸せだよ」→こんな程度の事で落ち込んでしまう自分はダメな人間だ
  • 「長い人生を考えれば大した事じゃないよ」→大した事じゃないのに乗り越えられない自分はダメな人間だ

 

こうしてみたら?って「言われても出来ない」「やりたくても出来ない」んですよね。暗い気分にしかなれない、嫌な事しか思い浮かばない病気なんです。気持ちや考え方を切り替えるように言われると、それが出来ない自分を余計に自己否定してしまいます。なんで何でもかんでも自己否定に繋げるのかと言いたくなると思いますが、自己否定も病気の症状です。

 

楽しい事をお勧めする事

  • 「気分転換してきたら?」→好きだった事もする気が湧かないし、無理に何かしても辛くて逆に疲れてしまう
  • 「美味しいものでも食べなよ!」→何を食べても美味しくない、食べるのも苦行
  • 「遊びに行こう!」→遊んでも楽しくないし、身体が鉛のように重いし、普通の人のテンションについていけないし、辛いだけ

 

好意で勧めてくれているのは分かるのですが…。出来ないです。普通は楽しいはずの事が、何しても辛いし、それでうつの回復には繋がらないのです。かと言って断るのも好意を無下にしてしまう気がして、しんどく感じてしまいます。

 

じゃあ、うつの人に何て言ってあげたらいいの?

まず、どうにかしてあげたい!と思ってもその気持ちは抑えた方が良いと思います。こうしたら?ああしたら?と言いたくなるかもしれませんが、本人もどうにかしたくてもできない状態です。そう言われる事がプレッシャーや焦りになってしまいます。早く治さなきゃ、と思うのは逆効果です。治そうと思えば治る病気でもないです。

まずはアドバイスよりも、休養と服薬です。人それぞれですが、時間がかかると思って下さい。ゆっくり休養できれば、時間が解決する事も多いでしょう。

周囲ができるのはゆったり構えて待つ事です。本人が話したい事があれば聞いてあげると良いと思いますが、「もっとこう考えたら?」とか言わずに、ただ聞く事に徹した方が良いです。話したくなさそうなら無理にあれこれ聞かないで下さい。ちょっと話すだけでも辛い時があります。

何か言うとすれば、「話聞くぐらいしかできないかもしれないけど、何か力になれそうなら言ってね。」と伝えてあとはひたすら待つぐらいしかないかもしれません。でも、ゆっくり待っててくれる人の存在はありがたいです。

 

ただ、話の聞き役になった場合、これもなかなか辛いと思います。暗く捻じ曲がった(病気のせいですが)話をひたすら聞く、それも何度もとなった場合は…。どれだけ長引くかもわかりません。ご自身のストレス解消も大事にして下さい。友人であれば、「ちょっと今は私も余裕がなくて、ごめん」と一線を引く時も必要かもしれません。ご家族はそれも難しい場合もあると思いますが、家族会や、主治医に相談することもできますので、どうか抱え込まないようにして下さいね。患者の私が言うのも何ですが、周囲も不幸に巻き込みたくはないので…。

 

まとめ

患者目線から、うつの人を励ましてはいけない理由と、接し方について書かせて頂きました。

ただ、患者さんによる個人差はあると思いますので、可能なら主治医にも接し方を聞いてみて下さいね。